タイル小路(失われた尾道の日常遺産)
かつて出雲街道といわれ、石見の大森銀山にも通じ、銀の道とも呼ばれた街道の尾道側の出発地であった長江町。この長江町からは、福禅寺や御袖天満宮(江戸時代後期の古地図には天神坊と表記)に通じる参道がある。この2つの参道の間には路地があり長屋がある。その名もない路地が、ある日突然著名な「タイル小路」という名の路地となったのは、余りにも有名な話だ。
ええ(良い)門は福善寺という浄土真宗の寺の近くの長屋に住む老夫婦が、1970年の大阪万博に行った記念にと長屋の路地にタイルを貼り始めた。その路地が尾道出身の大林宣彦作品が1983年に世に出した「尾道三部作」の一つ、映画「時をかける少女」で紹介された。それを機に名もない路地が「タイル小路」という名前を獲得しスターダムにのし上り、当時の尾道で有名な観光資源となったのだ。
この「寄ってたかって」の尾道的風情の典型と思われたタイル小路は、ファンに惜しまれながら、わけあって今はただの路地に還っている。余談だが、この「タイル小路」の中には、現代芸術家の赤瀬川原平や荻野目洋子がマジックで書き込んだタイルもあったのだが、さてどうなったものか。
ええ(良い)門は福善寺という浄土真宗の寺の近くの長屋に住む老夫婦が、1970年の大阪万博に行った記念にと長屋の路地にタイルを貼り始めた。その路地が尾道出身の大林宣彦作品が1983年に世に出した「尾道三部作」の一つ、映画「時をかける少女」で紹介された。それを機に名もない路地が「タイル小路」という名前を獲得しスターダムにのし上り、当時の尾道で有名な観光資源となったのだ。
この「寄ってたかって」の尾道的風情の典型と思われたタイル小路は、ファンに惜しまれながら、わけあって今はただの路地に還っている。余談だが、この「タイル小路」の中には、現代芸術家の赤瀬川原平や荻野目洋子がマジックで書き込んだタイルもあったのだが、さてどうなったものか。
タイル小路まで「バーチャル世界」が届かない
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何とか失われたタイル小路までバーチャル散歩を実現しようと試みたが、Google Mapでは未知の世界となっていた。タイル小路は浄土真宗の福善寺(天正元年/1573 行栄法印の開基)の境内の下の方にあったと記憶している。折角なので、この際、尾道では「ええ(良い)門は福善寺、硬い門は持光寺」と言われる福善寺の山門を写真で紹介することで、バーチャル散歩は福善寺参道付近ということでご勘弁を。尾道にお越しになるチャンスがあったなら、是非ともええ門をくぐり福善寺境内の老松(鷲の松)を見ながら、境内の下方にあった長屋とタイル小路へ続く石段(写真の石段)がまだあれば確認できるのでは、と思うところだが……。
ええ門は福善寺の山門の写真特集3>
(2020年5月5日)
(2020年5月5日)